2012-07-25

7月21日 いいにおいのするDARK SUMMER TOUR @CONPASS

去る7月21日に、Vampillia主催企画「いいにおいのするDARK SUMMER TOUR」に行って来ました。今回招聘したのはMeyhemやSUNN O)))などの活動で知られるAttila CsiherのソロプロジェクトVoid ov Voices!ということで割とワクワクしながら行ってきました。

OPのPAIPAN PUNKなんですが、これはマゾンナフォロワーとでも言うべき2分弱で終わる豪速球出落ちノイズソロプロジェクトでした。これはこれでいいんだと思います。様式美だから。

次のMortalizedなんだけどこれが痺れる!ベースレスの3ピースによるガチガチのテクニカルグラインド・コアで、ギターとドラムのセッションからスタートしてボーカルが客席をかき分けステージ入り。そこからは彼らの本領発揮といったところで、短い楽曲の中に圧巻のドラマツルギーを集約させては解き放っておりました。MCもないストイックなライブパフォーマンスで畳み掛け続け、脇の甘いところは一分も見せないあたり、流石はベテランといったところ。すんばらしいですね。

その次のSighは打って変わってDIY感に溢れておりましてびっくり。博覧強記を誇るメタル系音楽ライターの川嶋氏とは異なる、ファニーな一面を見たように思います。山羊の頭を取り付けたマイクスタンドや数々のファイヤーギミックお得意のシアトリカルな雰囲気を強調する反面、ゴテゴテの衣装のままふっつーに水を飲んだり軽口を叩いたりするなどノンカリスマで緊張感を削ぐような行動が散見されるという。。。そんなわけでアマチュアリズム的な甘えを感じた部分もありますが、イロモノ的な楽しさが俄然凌駕していたので良しとします。だって火炎放射とか楽しいもんね。最後にゃVenomのBlack Metalのカヴァーやりながらミカンニバルが低温ローソク垂らしながら公開オナニーしてたんだもの(ゲス顔)。

続いてRUINS ALONE。Ruinsの楽曲をラップトップで流しながら、ドラムとボーカルのみ吉田達也氏が生演奏する、というプロジェクト。変拍子なのかインプロなのか判別しがたいイっちゃった演奏を繰り広げられているにもかかわらず、吉田氏の表情や、ステージ上に一人しかいないという状況がどこか淡々としたムードを形成してしまいます。だけれどもその淡々さ具合と演奏の狂気・熱度とのギャップも含めて楽しめるものではないかな、と思います。一人でやるからこそ理不尽度合いが強調されているようにも感じられて面白かったです。

Vampilliaのライブを見るのはこれで二度目。流石に始めてみた時のような衝撃はないものの、更にダイナミックでかつ予測不可能な展開を見せるようになっていた…と思います。ポストロック的な繊細さとラウドさのコンビネーションに加え、ツインドラムを活かしたグルーヴ感の破壊力、多人数編成で織りなすハードコアじみた疾走パート、などなどアイデアは相変わらず豊富。最後はアッティラシハーが参加してもう一次元上の轟音で全てを飲み込んで行きました。コチラも圧巻でしたねー。

最後はVoid ov Voices。歪んだ顔をたくさん取り付けた特撮怪人のようなスーツにローブを羽織り、全身から青い光とスモークを発するギミックを装着して、祭壇のようなステージに立つ。お経のような声や高域~低域にまで及ぶ叫び声(敢えてデスボイスとは言わない)、ホーミーなどなどの自らの音声をmoogでループさせ、未曾有の暗黒ドローンサウンドを響かせていました。轟々と炊かれるスモークやステージをわずかばかりに照らす照明なども、暗黒儀式のような雰囲気を盛りたてるのに一役買っていましたね。自らの音声のみを用いるパートは20分ほどで終了、途中からは踏み鳴らすようなインダストリアルビートを打ち鳴らしながら、よりキャッチーでブラックメタル然としたパフォーマンスを展開。次第にノイズ・轟音に飲まれ、このままどこへ行くのか全くわからない状態になってきたところで、音声のループがすこしずつ減っていく事に気づきます。そして最後に残ったループは「ありがとう大阪」の声。そういうキャラか?という疑問もありますが、最後は比較的ほんわかしたムードで終演となりました。全一時間弱の濃密なパフォーマンス。いやはや暗黒の何たるかを思い知らされました。

いやぁ良いバンドに恵まれた良いイベントでしたよ。どのバンドも素晴らしかったし行ってよかった。Vampilliaさんのコネクションと企画能力には毎度頭が下がります。

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